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全国けあ最前線

全国けあ最前線/NPO(6)

「自分らしく暮らす!」そんな夢を形にしたい

NPO法人「福祉マンションをつくる会」

八木真寿美さん写真
お話を伺った広報室の八木真寿美さん

 2003年6月、東京・日暮里に時代のニーズに応えた“新しい住まい方”を提案する「日暮里コミュニティ」がオープンし、話題を呼びました。

 この「ハウス」は、子どもから高齢者まで日常的に交流する温もりのあるコミュニティのなかで、老いても安心して最後まで暮らせる『21世紀の長屋』を目指しています。

 JR山手線から徒歩15分という地の利に恵まれたこのハウスは12階建て。1階には食堂のほか保育園や診療所など地域の人も利用できる施設がテナントとして入り、2,3階には若い世代や子育て世代も住む自主運営型の「コレクティブハウス」、4階から6階は介護が必要な高齢者の住まい「シニアハウス」、そして7階から11階は自立した高齢者の住まいである「ライフハウス」が併設され、様々な生き方に合わせて暮らせるようになっています。

 このハウスの特徴はなんといっても、入居者が建物の計画段階から話し合いを重ね、いっしょに創り上げていったことでしょう。

 「日暮里コミュニティ」は、シニア向けの共同住宅や有料老人ホーム事業を展開する株式会社「生活科学運営」、NPO法人「福祉マンションをつくる会」、そしてNPO法人「コレクティブハウジング社」の協力で実現したものです。

 (株)生活科学運営は、NPO福祉マンションをつくる会と今までもチームを組み、「都市公団とのパートナーシップを組んだ福祉マンション」や「地域に根ざした参加型ハウス」、「共感し合える仲間たちと助けあって暮らしていく友だち村」など、こんなふうに暮らしたい、という夢を形にしてきました。

 今回はその推進をしている「NPO福祉マンションをつくる会」を訪ねました。

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同じ志をもつ仲間づくりのお手伝い

日暮里コミュニティハウスの外観写真
日暮里コミュニティハウスの外観

 「人の生き方と同じ数だけ暮らし方があります。いざという時の安心さえあれば、あとは一人で気楽に暮らしたいという人もいますし、その反対に昔の長屋暮らしのように隣近所の人の深いつき合いのなかで子育てをしたい、という人もいます。できることなら価値観を共有できる人たちと暮らしたい、と望む人もいるでしょう。

 たとえばマンションを選ぶ場合、事業者が建物を建ててから入居者を募集しますので、まず建物があって、そのなかに自分の生き方を合わせるのがこれまでの一般的な方法です。

 しかし、少子高齢化や未婚者の急増などで生き方が多様化するとともに、従来の“既製品の住まい”に疑問をもつ人たちも増え、自分の生き方にあった住まいを自分たちでつくろう、という意識が高くなってきています。

 その実現のために、共に考え、暮らしていく仲間づくりから始め、自分らしく住まえる「福祉マンション」を中心としたコミュニティをつくっていきませんかと提唱しているのがNPO法人福祉マンションをつくる会です」と広報室の八木真寿美さん。

 「NPO福祉マンションをつくる会」は全国5つの支部に分かれ、「福祉マンション」を中心にしたコミュニティづくりを地域に展開することを目的に活動をすすめています。支部会や、セミナーを通して“望む住まい方”を考え、“共生の住まい方”を学びあいながら会員同士の相互理解を深めていきます。

 「日暮里コミュニティ」の場合、約3年の間、月一回の話し合いをしながら、入居者の交流を深め、希望を話し合うなかで建物の建設が進んでいきました。共有スペースの使い方や自室の間取りにも積極的に希望を出し合い、コストや規制を調整しながら自分たちの望む住まいと人間関係を作っていきました。

住み始めた後も調整役

同会のパンフレット写真
同会のパンフレット

 参加者から具体的にはどのような要望があるのかを伺いました。

 「日暮里の場合、ハード面では、お嫁入りの時に持ってきた大きなタンスを持っていきたいのでそのスペースが欲しいとか、屋上の一番眺めの良い所に共用のお風呂が欲しいなど、人が住まいにこだわる部分は様々ですね。皆で話し合ったり、個別で相談を受けたりしながら、そういう要望に一つひとつ丁寧に対応していきました。

 また、つくる過程だけでなく住んでから、2~3階のコレクティブハウスに住む若い女性から、煮物の作り方を教えてくれるライフハウスの人を紹介してほしい、などいう声もあがっています。そのようなニーズがあがってきたときにハウスの運営主体に提案するしくみも作っていきたい。入居希望者は今のところ女性の方が多いですね。女性のパワーはすごい、と実感しています」。

 自分の住みたいところは自分で選び、自分の力で築き上げる―――それはとてもエネルギーが必要なことにちがいありません。

 しかし仲間がいて、「NPO福祉マンションをつくる会」のように応援してくれる団体がある。それは実現への大きな力になります。

 このような試みはまだまだ始まったばかりで課題もたくさんあります。しかし試行錯誤を重ねながら、よりよい方法が生まれていくことでしょう。

(2003年8月掲載)

NPO法人「福祉マンションをつくる会」
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場3-3-3 三優ビル3F
TEL:03-3367-3416 FAX:03-3467-3426
URL:http://www.fukushi-m.jp/

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