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イプスイッチより南側の町の紹介
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私はオーストラリアで働いているので、仕事場で使われる言葉は全て英語で、「高齢者介護」で使われている用語も全て英語です。
日本語では人の名前を呼ぶ時、「…さん」とか「…様」と言います。また親や兄弟は名前で呼びますが、人からは名字を呼ばれるのが普通です。
これがオーストラリアだと、皆、名前(ファーストネーム)で呼び合います。来豪当時は、この習慣にまごつきました。二十歳の若い子までが「ハーイ・イクミ」と名前を呼び捨てにするので、正直、面喰らいました。私の働くローリストンで最も偉い人はリノラ・スティール女史ですが、私はいつも彼女に対して日本式に「ミセス・スティール!」と呼びかけますが、彼女からは「イクミ、リノラでいいのよ」と言われます。
レジデントの方々に声を掛けるときも、例えば「アイリス、ご機嫌いかが?」「フレッド、昼食の用意が出来ました。」という風に、名前(ファーストネーム)を呼びます。名前を呼ばれた相手は「自分のことを知っている人」から呼ばれていると思い安心するので、「デューティー・オブ・ケアー」を行う上でとても大切なことだと私の師匠であるアン・バインから教わりました。
日本語では、頭が真っ白でしわだらけ、しかも腰の曲がった人に対して自分の祖父母でもないのに呼びかけに「おばあちゃん」「おじいちゃん」を使います。呼ばれた本人達は、まだまだ若いつもりでいるかも知れないのに、年寄り扱いをされたと怒るかもしれません。
英語にはこの表現がありません。「おばあちゃん」「おじいちゃん」という言葉は、その人の孫だけが呼びかけに使い、他の人は使いません。アイリスはエマとケントのおばあちゃんですが、メアリーには「ママ」で、私にとっては「アイリス」です。彼女は、自宅で「デイリー・リビング」を遂行する事が困難になったため、24時間ケアーを受けられるローリストンに来られましたが、90歳を過ぎても、一人の独立した女性です。
名前(ファーストネーム)で呼び合うのは、結構老化防止になるような気がします。そういえば、昔、中曽根首相とアメリカのレーガン大統領が「ロン」「ヤス」と名前(ファーストネーム)で呼び合っていましたが、サミットでの二人の表情は生気に満ちていたように思われます。
(2001年9月掲載)
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