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在宅介護・知っておきたい医学の基本



8. むくみから病気を発見する

むくみはどうして起こるの?

 むくみ(浮腫)とは血管内と血管外に分布する水分(細胞外液)のバランスが崩れ、血管外に溜まった状態をいいます。つまり体内の水分とナトリウムが過剰になった状態で、重力の影響を受けます。ふつうのむくみは指で圧すと指の跡が残ります。腫れは圧しても痛みは感じますが、指の跡は残りません。

 むくみは全身に出る場合と手足など局部的に出る場合があります。手や足など部分的に出るもので、臥床や体操などで改善する場合は、あまり心配はありませんが、全身に現れた場合や、少しずつ目立ってきた場合は医師の診察を受け原因を調べたほうがよいでしょう。

 寝ている時間の長い高齢者の場合は、背中や尻、後頭部などに触れ、むくみがないか確認することも必要です。特に高齢者の場合、むくんでいても自覚症状を感じないで、心不全が重症化する場合もあるので、周囲の人の注意が必要です。

 むくみの有無を確認しやすい部位はすねです。すねは筋肉や脂肪組織が薄く、その下には脛骨(けいこつ)という堅い骨があるので、圧してみればわかります。ただし、人体の構造上の問題で、右より左脚のほうがむくみやすいので、両脚のすねを圧してみましょう。また、まぶたの筋肉も薄いので、むくみがあれば表情が変わってくるので比較的簡単に見つけられます。

むくみの原因

○タンパク質不足
 むくみの原因のひとつにタンパク質の減少があります。とくに食事ができなくなると栄養状態が悪くなり、アルブルミンというタンパク質が減少します。腎臓疾患でタンパク質が尿から排泄されたり、肝臓疾患でタンパク質合成能力の低下、褥そうから体液(滲出液)として流失することもタンパク質不足の原因となります。ガンの末期などでも、栄養障害により低タンパク血症によりむくみが生じます。
○心不全
 心不全のむくみが出やすい部位は後頭部、背中、前腕、手首、大腿、下腿です。
 心不全の人が水分を多量に摂取すると、血液が薄まり、血液量が増えると心臓に負担がかかり病状が悪化します。同時に相対的にアルブミン(肝臓によって合成される血漿タンパク質のひとつ)が低下し、むくみがひどくなることになります。
○その他の原因
 乳がんの手術でリンパ節を取ったとき(リンパ性浮腫)は、手術した側の手や腕がむくむことがあり、甲状腺機能低下では、ホルモンの影響が全身にむくみが生じます。片麻痺があると麻痺側の下肢にむくみが出現しやすくなりますが、スムーズな運動が困難になるためでしょう。

むくみを解消するにはマッサージが効果的  

 寝ている時間が長いと、背中や側胸部、足などにむくみが生じます。これは重力の影響で細胞の外にある水分が下に移動するためです。このような場合はむくんだ手や足を心臓より高くしたり、心臓の方向に向けてゆっくりマッサージをしたりすると解消できます。

 しかし、何らかの病気が原因でむくみが生じている場合は、まず原因となる病気の治療が先決です。むくみが見られた場合は、経過を観察し、改善しないようなら、治療の必要性について主治医と相談してください。

監修:医療法人喜望会理事長太田秀樹 プロフィール


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