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在宅介護・知っておきたい医学の基本



6. 尿の変化から体調を知る

 健康な成人の尿の排泄量は1日に1200ml~1500ml。色は淡黄褐色で、尿特有の臭気はありますが、不快臭はなく、比重は水よりほんの少し重い程度で、わずかに酸性です。

 尿の成分、量、色、排泄回数は食事や運動、睡眠、気温などによって影響されるほか、年齢、性別によっても変化します。また、薬剤や病気によっても変化しますので、尿を観察することは、高齢者の体調を知るうえで大切です。

排尿回数にも注意

 排尿回数は個人差がありますが、膀胱に350ml程度たまると尿意を感じます。排尿回数は1日5~6回程度ですが、気温や水分摂取量によって多少の違いはあります。また、老化に伴い膀胱の容量が小さくなるので、排尿回数も多くなりがちです。

 ただ、1日に10回以上、30分おきに尿意を催す状態を頻尿といいます。頻尿には病気が原因の場合と精神的なものが原因の場合があります。夜間頻尿が続く場合は睡眠不足の原因にもなります。原因を知るうえで医師の診断が必要です。

尿量の変化は何を示す?

 1日の尿量が3000mlを超える状態を多尿といいます。糖尿病が原因のことが多く、利尿剤を服用している場合にも起こります。

 また反対に尿量が400ml以下の状態を乏尿といいます。乏尿は脱水、心不全、腎臓病などが原因です。多尿、乏尿ともに医師の診察が必要です。

排尿異常と病気  

●前立腺肥大
 中年以降の男性に多い病気です。前立腺は男性の膀胱と尿道のつなぎ目にあり、加齢により肥大し、尿道が締め付けられるようになると排尿に時間がかかるようになります。このため、常に膀胱に尿が残るようになって、頻繁に尿意を催しますが、結局全量排尿しきれないため、残尿が常時みられます。前立腺肥大が進行すると尿路が閉鎖され、尿が一滴も出なくなる尿閉状態になることもあります。このような場合は、導尿といって、管を挿入して尿を排泄します。

●膀胱炎
   尿道から入った細菌が膀胱の粘膜を冒す病気で女性に多く見られます。女性は尿道が肛門や膣と隣接し、さらに尿道が短く、膀胱に細菌が入りやすいのが原因です。排尿時に痛みがあり、残尿感がある場合は膀胱炎が疑われます。肉眼でみても赤い血液の混じった尿になると、それは血尿といって、何らかの病気の証しです。

尿観察のポイント
尿の異常考えられる病気
血尿・尿の濁り腎炎、腎盂腎炎、尿路結石、膀胱炎、尿路ガン等
尿が黄褐色肝臓病(黄疸)、消化管出血等
尿に泡が立つ糖尿病等
尿量が多い糖尿病、利尿剤の服用等
尿量が少ない脱水状態、腎機能低下(腎不全)等
尿が出ない高度の脱水、心不全などの尿量が減少する疾患及び、尿路ガンなど物理的な排泄障害
頻尿膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、前立腺肥大症等
強いアンモニア臭膀胱炎等による細菌尿、肝臓病(高アンモニア血症)
甘ったるい臭い糖尿病、飲酒後等、食物によって。

監修:医療法人喜望会理事長太田秀樹 プロフィール


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